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■2007年04月30日(月)  日常の減りと張り             編集長 朱
 どうやら日々雑感の投稿者さんたちも連休のようです。
 いいことです。お休みは最高!
 私の休みは2日からです。お便りをご紹介します。

○ 再婚者改め⇒「ふたたびパパ」です。「連休初日に5歳の娘と家内と愛犬連れて近くの海岸で”凧揚げ”をして来ました、昔の和凧じゃなく”カイト”です。恥ずかしい話、初めてのカイトで興奮しました、もの凄い勢いで飛んでます!手にバリバリ風の振動が伝わり、娘も持ちたがり持たせると空に吸い上げられるほど!”パパすごいね!パパすごい!”娘のおかげで童心に戻れました。以前の若かったパパ時代に見過ごして来たモノを見付けられて感謝です!編集長も連休息抜きしてくださいね!」

・ 連休はすべての仕事と離れて、ハトマ島です。
 沖縄の石垣島より南、西表島さえ都会に感じるほど、その大きな島から少し離れた小さな離島ですが、最近はテレビドラマの「瑠璃の海」で知られ始めました。
 ハトマに渡って連泊して、島在住の長年の旧友と、飲んで、喋って、三線を聞いてカチャーシーを踊って、大潮には潮干狩りや珊瑚礁で魚釣り、天気の良い日は泳いでひなたぼっこして、上膳据膳の殿様気分で、島にいる間中、1日、ぼっーと遊び呆けるのです。
 子どもたちがあふれるほど元気なのは、この無心の境地にいるからだと思います。
 大人になればまた、動き回る遊びだけでなく、子どもには絶対不可能な、怠け者のように徹底して動かない遊びも、心身のシコリが溶けるようで楽しいものです。
 だから、島にいる間は煮詰まったものをすべて洗い流すように、時間を薄く薄く引き伸ばして、うたた寝、ごろ寝、暴飲暴食と恥ずべき怠惰をやり尽くし、何もしなかった「貴重な空間」をしっかり蓄えて帰るのです。
 連休が終われば、怒涛の日常ですから。 
 弛緩と緊張、メリと張り。
 みなさんはどのような連休を迎えておられるのでしょうか。
 

■2007年04月29日(日)  世間はGWですが…        編集長 朱
映画「あかりの里」の王寺上映は、立ち見が出るほど見に来てくださって、灯心の実物にも大変興味を持っていただきました。
 あちらこちらの上映が宣伝効果になって、話題性も広がって新しい観客を呼び込んだようです。
また上映地を広げなくてはなりません。
 よろしければ出前上映を致しますよ。
 1日お休みした間のお便りです。

○ GW関係ないです。「毎年にGW来るけど、旅行に行ける人はいいけど家にいるこっちは毎日テレビしかないですね。ビデオ借りて見てもこんなに長い連休じゃ飽きるし、ちょっと出ても渋滞だからどこにも行けません。みんなどうしてますか?」
・ 私は出だしの連休は仕事です。みなさんが会社をお休みの時に、会社員さんのゲストをお招きして収録して、優秀なスタッフに編集を押し付けています。
 編集作業の大変なこと、細かいこと。私も覚えたらいいのですが、そこまで手を出すと肝心な仕事がお留守になりそうで、お任せしながら本当にすまなく思っています。

○ 灰色の受験生です。「ゴールデンウィークなんて関係ないです。新品の教科書がドサッと来ました。全部にざっと目を通して二学期までに仕上げないと、後は追い込みかけて受験ですから」
・ 聞くも涙のお話ですが、適当にガス抜きも必要ですよ。せっかくの連休は有意義に使って、それから頑張れば? 受験は長期戦ですから、気長に構えたほうが楽ですよ。

○ 交流会ではお世話になりました。「私はこの連休にお遍路をしようかと思います。寒くもなく暑すぎもしないいい季節ですから。好きなだけ歩いて、泊まって、同宿の方と親しくなって、情報交換をしたりとお遍路はいいですよ、編集長はお遍路はなさらないのでしょうか」
・ ………忙しくて、忙しくて……。

○ 定年悠々組です。「温泉名人におたずねします。温泉が好きなものですから、連休は家内と温泉に行こうかと思っています。初夏の温泉はどこがいいでしょうか?」
・ お薦めは少し外気が涼しいところです。身体が温まると長く入れませんので、半身浴ができるような涼しげなところ、できましたら北の方か、高地の温泉が。九州や東北、北海道がいいですね。詳しく教えて差し上げたいところですが、「定年悠々組さん」の所在地が分りませんので。また自炊できる湯治宿の利用も長期に温泉を楽しめて便利ですよ。
 私は後半の連休に沖縄の鳩間島に参ります。
 毎年恒例ですので、もう里帰り気分です。その時は日々雑感もお休みになります。

■2007年04月28日(土)  お休みです。                編集長 朱
 映画の上映が大成功で立ち見がでました。それで打ち上げで気持ちよく飲んで、白河夜船です。明日、復活します。ごめんなさい。
 
○ シニアです。「もうすぐGWですが、雑感はお休みでしょうか?」
・ 連休は5月に入って、数日まとめてパソコンのないところに隠遁します。
またみなさまに連絡いたします。
 ではでは。

■2007年04月27日(金)  縁は異なものと申します。        編集長 朱
 楽しいお便りが舞い込みました。だから雑感は楽しいのです。

○ 映画見ました。「いい映画と思いました。どこがいいかというと絵がきれいでした。知ったとこいっぱい出てました。僕が通った道も出てました。女の人が歩いて後ろに見えたとこで喫茶店に入ったことあります。だから知ったとこが映ったらめちゃうれしいです。もっと地元の映画を作ってください。前にホールで500円出して見たのに、家にDVDがあったんで、おかんに「なんであるんや」て聞いたら「うちも協力者やで」といわれて、うれしかったです。最後に名前が出てなかったから態度のわりに大した協力者でないの分ったけど、やっぱしうれしかったです」
・ ありがとうございます。ホールで見てくださって。その上、協力者さんのご家族でしたとは、私もうれしい。その上に、DVDのホームページを尋ねて、こうしてお手紙を頂いて心より感謝をいたします。
 後ろのエンディングに名前を載せた方々以上の、多数の協力者のおかげで出来上がった映画ですので、映画に出ているふるさとの景色を楽しんで、物語も楽しんで、伝統技術も学んで、そしてあなたが大人になった頃、駅前開発ですっかり様子が変わった町並みを、もう一度映画で尋ねてください。あなたが「うれしい」と思った「知っているとこいっぱい」が、その頃にはもう思い出になって映像でふるさとをなつかしむでしょう。
 それが、映画「あかりの里」のもう一つの鑑賞の仕方なのです。
 明日、いえ今夜は王寺町のやわらぎホールで上映します。ぜひお出でください。舞台に立ちますので、お声をかけてくださると、もっとお互いにうれしいかもしれません。
 
○ 知人より。「随分前ですが、沖縄西表の鳩間島の音楽祭でお会いしたことがあります。海のこと、潮のこと、色々教えていただきました。その節はお世話になりました。その時も博学な方だとは思いましたが、朝日新聞でご活躍を拝見して、このブログにたどり着きました。いや、恐れ入りました。今年も鳩間にいらっしゃるのでしょうか。私も音楽祭に間に合うように参るつもりです。また現地で遊んでください」
・ 島の音楽祭は、参加者が島民の2倍以上に膨らむビックイベントに育ちました。第一回から参加している者には、うれしいのか、当惑していいのか難しいところです。当日、会場でお会いできましたらぜひ、お声をかけてください。海を見ながら酒でも飲み明かしましょうか。

○ 名無しです。「ここは面白いブログです。投稿者からのコメントに編集長がマジで応えてて良質。投稿の交通整理も大変ですね!今度は編集長さんからテーマ投げたらどうです?」
・ さまざまなご意見が寄せられて、こちらが提示するテーマより読者のおたよりに深いテーマが含まれています。そのお返事に、また問いかけや励ましが寄せられるなどリレーのような発展がとても楽しみです。またご意見をお寄せください。

■2007年04月26日(木)  時間との競争です。             編集長 朱
 24日の無記名さん、お待ちかねのヒッピーさんのご返事です。
 
○ 定年を控えたヒッピー経験者より。「若い方には想像もつかないでしょうが、日本にも内戦状態の時期がありました。私どもの学生時代は学園紛争真っ盛りで、政治を語らないものは『ノンポリ(ポリシーのないやつ)』といって糾弾されました。学内では体制に追従するものを嗅ぎ出しては自己批判を求められました。ヒステリックなキャンバスが嫌で、アメリカから安全保障条約を押し付けられて唯々諾々と呑んだ日本政府も嫌で、さりとて出国するほど金もなく、まるで追い詰められた勢いでハミ出るように世間にドロップアウトして、自分のポリシーを守りました。上手に世の中を生きられない人間もいます。縁合って今の会社に入って気がついたら定年です。また新しい環境に入らなくてはいけません。考えると憂鬱なんです」
・ 定年で家庭に入れば、一人で切り盛りしていた奥方に邪魔にされますので、自分で地域に馴染まなくてはいけません。ここはオトコの作った縦型社会ではなく、主に女性たちが開拓して耕した文化畑ですので、会社の肩書きが全く効かない、自由な円卓社会です。疲れた企業戦士よりヒッピー経験者の方が、ずっとなじみ安い社会だと思いますよ。

○ 再婚者です。「ひさしぶりに書きます、今日息子から電話で会社登記したそうです。私も早い時期に独立した経営者ですので息子も頼ってるのでしょう、かわいいもんですね」
・ 息子に頼られるとは立派なものです。雑感にはさまざまな親子関係が見られますが、親子の絆は大切にしたいものです。

○ 子持ちのデザイナーです。「アースデイの返事有難うございます!よく分りました。この雑感はおもしろいですね、見てて勉強になります。忙しいんでしょうが続けて下さい、楽しみにしてます」
・ 本当に忙しい日々を送っていますが、好きな世界なので楽しくこなしています。
 もう今日になりましたが午後から某大学で講義があります。パワーポイントの資料つくりを今ようやく終わったところ。画像データに一つづつ解説を入れて、学生たちの質問に備えます。そして明日の午後は「やわらぎ会館」にて講演と映画上映です。その資料作りはまだです。いつも時間との競争ですが、雑感にはたくさんの方がお出でくださるので、ハリがあります。いつも見てくださってありがとうございます。
 頑張ります。

 

■2007年04月25日(水)  過去との和解               編集長 朱
 子どもたちが青春期の自分と同じ年になったとき、一度、自分の半生記を振り返って、その当時は探し出せなかった答えを、今だからこそ「あの時は……」と問うのも良いかもしれません。
 借り物でない自分の人生経験で、答えが出せるような気がします。

○  シニアです。「雑感を見て、若い頃と現在の価値観の変化を改めて考えさせられました。私の’70年代は学園紛争も終息しかけ「イチゴ白書」「ウッドストック」時代で、先輩達も就職する人・ドロップアウトする人、色々でした。それが今、団塊総定年時代になっています。当時反体制を叫んでいた先輩達・長い髪だった人達、当時を振り返って今、人生何を思うのでしょうか?就職出来てホッとしてたのでしょうか?(峠族さん)の言う様な若い頃の一時の”ハシカ”なら、平和な日本のヒッピーに大層な”ポリシー”なんか無いのでは?と思えてなりません」

・ 私の友人に学生運動をして、現実の社会と妥協できずに、好きな方との結婚も遅らせたまま、深い思索の淵に沈んで30代を越えて、ようやく安寧の世界を見出して、その方とひっそり入籍をした方がいます。また、「こんな自分が許せない」と大卒で就職を選ばずに企業を興して成功した人もいます。
 決して勝てない相手と知って、それでも挑んだ彼らの思想と生き方を、負けた結果で評価はできないと思うのです。今の日本が平和なのは、国際政治で運が良かっただけのこと。「先達」の苦労は「追従者」にはわかりようがありませんから。

○ 峠族です。「息子が夜遅くバイク噴かせて、嫁が小言いってますが、雑感の編集長の言葉読んで、自分がなぜあんなに走りたかったのか考えました。うちの家業は4代続いた職人仕事です。それが嫌で、親父が朝早くからその仕事しているのが嫌でした。自分はああなりたくないと思って、でも家業継がなきゃ代々の道具一式ゴミになるから、自分のせいでそうなるのが嫌で、家を出て暴れてたんだと思います。もしかすると息子もそう思ってるかと思うと、考えてしまいます。やって見れば伝統のある誇りある仕事ですが、若いもんは嫌だと思います。こんな思いは繰り返すんでしょうかね」

・ 職種は書かないでとありましたので伏せますが、私の住む町は古い町で「峠族」さんの家業はザラにあります。
 若いころは嫌でしたのに、今では「伝統のある誇りのある仕事」と思われるなら、なぜ息子さんにそのプライドを引き継がないのでしょう。思いは言葉にしなければ伝わりません。代々続いた職人仕事は昨日やそこらに弟子入りした者では身に着かないほど、高度な芸術です。
 大手企業でも内部告発一つで倒産するのに、職人仕事は、日本に日本人がいる限り、今後何世紀にも渡って続く伝統の職業です。
 ぜひ、息子さんと語り合ってください。あなたがどうやって父の職を継ぎ、現在に至ったのか、誇りある峠族の伝説も一緒に伝えてください。
 きっと息子さんはあなたを見る目が変わるでしょう。
 そして、現在と過去の若者同士で語り合うのです。

■2007年04月24日(火)  中庸を保つことの難しさ         編集長 朱
 熟年層ががんばりだした「日々雑感」に、また若い人が参加しました。
 
○ ヒッピーさんへ。「いま派遣社員やってます。仕事は楽しいけど不定期だし安いし将来不安だし、やめたいけどやめられないです。どうしたらヒッピーできますか。食べなくても、寝なくても生きていけますか。歩くの好きだから交通費かからないけど、お金が減らない旅行を教えてください。(無記名)」

・ どうされます?ご指名ですよヒッピーさん。
 お答えを待つ間に、放浪取材が得意な、私なりの回答をさせてください。
 極論を言います。
 まず極貧旅行の最中はほとんど食べなくても生きていけます。寝なくてもむろん生きて行けます。極貧旅行のプロの行者は、行に入ると究極の粗食ですし、睡眠時間もあまり多く取りません。その状態が百日(3ヶ月)千日(3年)と続きますと、そのまま万日(30年)までの修行生活が身に馴染んできます。
 行者だけでなく取材中の記者でも同じです。特殊な体験取材に入ると、1日で4キロほど体重が落ちたこともありますが、気迫で乗り切れました。また紛争地に赴いた記者など、素知らぬ顔で苛酷な環境に慣れてしまいます。つまり目的さえ持てば寝食はさほど必要ではないのです。
 目的を持てば、です。
 ただの憧れや生活費惜しさでは、途中で目的を見失って疑問がわいてきますと、人間は楽な方に流れますので、なかなか今日が乗り切れずに結局、挫折してしまいます。
 今の生活がいやだからヒッピーでも、放浪者でも、と安易な考えで踏み込むと、帰れなくなりますよ。私の見たホームレスのほとんどが、個々の状況が異なっても、先を見ようともせずに、いま楽な道、安易な判断に流れに流れて、ついには沼のようなよどみに収まってしまった方が多いようです。そういう人は自力で這い上がろうとせずに、ウソで固めた憧れの経歴に逃げ込んで、誰かの手助けを待っているのです。
 かつてのヒッピーたちは自己の意思で捨てるものを捨て、得るものを得た人たちです。だから危なっかしい「中庸(ちゅうよう)」を保ちながら最低生活まで落ちません。

 投稿をいただいたあなた。文体を見ると若い方のように思われます。
 おばさんの忠告だと思って聞いてね。
 いまの生活に疲れてしまわないうちに、元からやり直すつもりで親元に帰られたらどうかしら。お母さんにすべてを話して、受け入れてもらうのが一番です。家賃の入らない自宅で辛抱して再起を計って、安くて汚くても定職に就くのが最善の方法だと思います。
 知性派放浪者とルンペンの差は、人生に指針を持っているか、それに至る意志があるかないか、です。
 堕ちる堕ちないの微妙な一線で、中庸を保ち続けるバランス感覚は、憧れだけでは身につきません。

 いま投稿常連の「シニア」さんと「峠族」さんから同時にメールを頂きました。
 また明日、整理して掲載します。
 明日は収録が控えています。大変なんです。

■2007年04月23日(月)  ヒッピー考                 編集長 朱
 連休前は片づけなくてはいけない仕事が山積みで、すみません、温泉情報まで手が回りません。落ち着いたころに掲載します。
 いろいろおたよりをありがとうございます。

○ 峠族です。「昔ヒッピーさんに聞きます。昔に車、転がしてたときヒッピーを見ました。なんか無気力に見えました。息子は当時の自分に似てバイク転がしてますが、黙って見てます。自分のことは教えないですが、ハシカみたいで誰でも通る道だと思います。自分にはせっかくの人生を投げてるルンペンも、道端で小物売ってるヒッピーもどきも理解できません。でも編集長の記者魂はすごいです。この世の中、やらんとわからんことがたくさんあって、今の仕事も若い頃はやりたい仕事でなかったがやってみるとけっこう続くもんです。このブログ面白いですね」
・ おもしろく参加してくださって、ありがとうございます。
 さてルンペンと小物売りとヒッピーは根本的に違います。ヒッピーは戦争につながる政治を拒否した、いわば大人しい政治闘争から発していますが、今のヒッピーもどきは現実逃避から始まった気楽な浮浪者でしょうか。また反論があると思います。

○ 子持ちのデザイナーですよろしく。「今日アースデイの催事へ行ってきました。地球環境のテーマでいろんなブースがありました。私は市のエコアンケートやJTのごみ集めキャンペーンに参加しました。感想?実は協賛チラシが紙ごみになってたり、吸殻や・・!あと各ブースが参加賞品いっぱい配り過ぎ!ほんまにエコか?意義あることだけど”ホンネとタテマエ”見ました。」
・ このアースデイも原点はアメリカから発した政治闘争でしたが、ヨーロッパ、アジアと広がって世界的な運動になってくると、日本にきた頃には、環境と自然を考える啓発運動にお祭りと催し物が加わって、ついでにエコ企業の宣伝開発の場になっています。だからチラシやエコ商品の試供品がムダに出回るのです。企業の本音はきな臭いものです。

○ イージーライダーより。「22日投稿の昔ヒッピーさん、定年待ちまで勤務できた方の僕達ヒッピーは違います”ヒッピーポリシー”に興味ありです!」
○ まだヒッピーしてます。「何年か前にインドでヒッピーしてました。言葉が通じなくてもボディランゲージで通じました。だから言語は人間語です。日本で着てきたTシャツやGパンは高く売れて、現地で食べるくらいならしばらく暮らせます。日本はヒッピーって感じじゃなくなりましたね。インドはいいですよぉ〜」
・ そうですね。
  独特の文化が発達したところはどこもステキです。一番いいのは現地でしばらく滞在して文化の土壌まで感じ取ると、もっと深くその国を知ることになります。するとカタコトも覚えて、観光客の通訳ができるようになると生活も安定するし、何より、いいだけではないことも分ってきます。
 それからですよ、その国のよさを語れるのは。

■2007年04月22日(日)  やっと修羅場を脱しました。        編集長 朱
 たくさんの5月号原稿をチェックして、目を皿にしてチェックして、それでもミスが出て、本当に最終稿には神経を使います。それなのにラジオの収録がかさみ、しかも久しぶりの交流会まで開催したので、電話連絡に悪戦苦闘でした。
 その上、連休前だから、さらに6月号の手配まで同時にこなさないと、5月の連休を休むこともできません。
 締め切りの修羅場で四苦八苦している間に、メールが帯のように入ってきました。
 ありがたいです。ブログに顔を出せないのに励ましのお言葉が入ってくると、すみません、もう少し待ってね。と謝りながら、編集に集中していました。まだ終わってはいませんが、編集員のスキを見て、ブログに帰って参りました。
 
○ 昔ピッピー、いま定年待ち。「僕も昔ヒツピーやりましたが、のんびりゴロゴロしてました。青春18切符よく利用しました。ハリガネで自転車や花を作って道端で売って、きちんと食べて宿に泊まりましたよ。記者はルンペンもしないといけないなら、僕には無理です。ポリシーのないルンペンと僕たちヒッピーは違いますから。ブログ楽しみに見ています。がんばってください」
・ がんばってますって。ルンペンをして一番辛いのは、1日の時間が途方もなく長いことでした。1日が長いとお腹が空いて、それを水を飲んで忘れるのも、次第に水にも飽きて、何の為に、水を飲みながら時間つぶしに延々と歩き続けているのだろう、と疑惑がわくと、自分のしていることが無意味なことに思えて、修行が辛くなります。辛い、辛くないは心の有りようと気づくと、ルンペンもヒッピーも僧侶の苦行も、みな同じになります。

○ でしゃばりオヤジです。「動物園・水族館の飼育員は仕事ではありますが、動物たちに愛情を持って世話してますよ、動物は人間より率直な能力を持っていますから『虐待』されてては食事も芸もしません又、観客も状況解った上で『癒されて』いるのです。ペットショップも同じです、『虐待』とは自己都合で威圧する行為です。経営破綻し放置された例はありますがメディアは黙っていません。
 『癒し』とは既成日常外で渇きを潤してくれる一杯の水のような物です、癒されたと思えた感謝を素直に相手に伝えましょう。動物はいつもその言葉を待っています!(愛護団体者ではありません)」
・ 確かに、動物への愛がなければ飼育員にはなりませんし、飼育員になつかなければ芸も覚えませんよね。でも、檻に飼われるのは辛いでしょうね。私でも行者の取材が入れば同じように「行」に入るのも、安寧という檻から出てみたいのかもしれません。これはポリシーを持ったヒッピーさんに尋ねたいところです。なぜヒッピーをしたか。今から省(かえり)みて、当時の自分をどう分析するか。
 定年を迎えるほど大人になれば、かつての自分を分析することができるのではありませんか。経験者だからこそ、同じ迷いの道に入った若者の気持ちが理解できるのではと、思うのです。
 せっかく大人になったのですから、かつての経験を役に立てませんか。
  

■2007年04月21日(土)  もう少しで修羅場を脱します、お待ちを。  編集長 

■2007年04月20日(金)  ただいま修羅場の真っ最中。      編集長 朱

■2007年04月19日(木)  五月号の製作中です。          編集長 朱

■2007年04月18日(水)  私たち癒されています。         編集長 朱
 読者の投稿が分かれています。癒し系と修行系。
 では癒し系からご紹介します。

○  シニアです。「動物のしぐさや植物の四季のうつろいなどに癒されています。しかし動植物にとっては生きるための当然な行動なのでしょうね、癒されたいと望まず思わぬ発見で癒されるそんな余裕の心でいたいものです」

○ 2児のママです。「私の癒しは子どもたちの寝顔です。2人の幼い子どもの寝顔は神々しいお顔をしているように思います。下の子は寝込んでしまうと柔らかいところがみんな流れてしまって、横寝の場合は上の頬が垂れて、下の頬は布団に押されて、真ん中で唇だけがとんがって、時々口をモゴモゴ動かしていますが、まったく無防備です。暖かくするとふんわり、赤ちゃんらしい柔らかい匂いがして、起きたら大変なのに、かわいくて、かわいくて、こんな宝物を2人も授かってとても幸せです」

○ 無記名さん。「深夜に酒を飲みながらバソコンでフラフラする時に癒されます。誰も邪魔されない自分だけの時間ですから。雑種犬を飼っていますが、こいつがわがままなやつで酒の匂いが嫌いらしくて、酒を飲むと寄ってきませんが、自分から甘えてきてくれたときは癒されますね。口ではいえませんが女房よりかわいいです」

○ 猫むすめさん。「いつもブログを見ています。癒しといえばウチはネコです。ウチ子は愛想のない子で、無理に抱くと嫌がりますが、友人宅のネコはよその人が抱いても柔らかくて、愛想よしです。ウチは育て間違いました。でも誰でも抱かれるネコより嫌がっても私にだけ抱かれるウチの子が一番です。動物園に行く必要はありません。ウチ子がいる我が家が癒しの館ですから」

○ 動物虐待です。「動物園や水族館で癒される人なんて信じられません。人間より短い一生を狭い檻や水槽で飼われて、好みでもない食糧を毎日食べさせられて、芸を覚えさせられるのに食事制限までさせられて、そんな舞台裏が分るのになぜ表面だけ見て癒されるのでしょう。小さな設備は動物虐待に繋がりますので、物が言えない動物に替わって人間が動物虐待の現状を監視すべきです」 

○ 温泉めぐりがしてみたい。「動物園とは違いますが、私たち夫婦は温泉が好きです。温泉名人ならいい温泉を紹介してください」
 
・色々なご意見をありがとうございます。
 そろそろ締め切りに入ります。
 原稿チェックと校正の修羅場に入りますので、数日、お休みを下さい。
 投稿はそのまま受け付けています。

■2007年04月17日(火)  動物園と公園と              編集長 朱
 オススメの動物園、水族館はありませんかとお尋ねしたところ、広範囲からの情報です。ネットのすごさですね。

○ 大分県民のつれです。「私の妻の実家は大分県の杵築です。妻と一緒の里帰りは観光フェリーを使って親子4人なので安くて、朝着くので船が便利です。小学生の子どもが2人いますので別府のうみたまごにも行きました。アフリカンサファリもいいです。高崎山は猿が怖くて下の子どもが泣きました。キティーランドもあります。一番良かったのはアフリカンサファリのジャングルバスで、ライオンやキリンに餌をやれることです。写真をたくさん撮って記念になりました。動物園はいつ行っても癒されますね。編集長さんはよく大分に行かれるようですね。杵築もいい所ですよ」
・ 仕事で行くので温泉に入る時間は見つけても、なかなか動物園までは。でも「うみたまご」は仕事を離れて、アザラシの水槽の前で哲学的な風貌のアザラシと語り合いたい気分でした。時間の決まった取材ですので、次々と案内されて説明をされているので、癒される暇を作ってのミニ感動でした。

○ 2児のママより。「天王寺の動物園がゆっくりして最高です。娘と私はペンギンの柵ですっかりファンになりました。あのよちよち歩きがかわいいし、おなかのふくらみに愛嬌があります。毛も近くで見るととてもきれいでした。公園はハトも多くて、なぜか足を切られたハトがいました。人間のいたずらでしょうか」
・ 天王寺動物園ではハトに餌をやるのは禁止されていますが、それを知らずにコンビニ弁当を広げると、ハトがたくさん寄ってきて、カシワの唐揚げを盗られてしまいました。ハトは草食性だと思っていたので、共食いのように鶏肉を食べるのを見て、雑食だと初めて知りました。そういえば片足のないハトが歩きにくそうに歩いていましたっけ。

○ 白馬の騎士。「愛知県豊橋市『のんほいパーク』。ここは白熊が水槽ガラスの観客めがけて飛び込みします。(但し弁当持参必須、食堂混みコンビニ無)」
・ コンビニやお店がないのは辛いですね。公園内の食堂は込みますし、品数が少なくて高いのが難点です。設備の良い公園はイスが多いので弁当持参のピクニックは最高です。でも家族で行くとけっこうな出費になりますが、家族券や回数券があると助かりますね。
 それでも子どもが大きくなると、とたんに動物園や公園が縁遠くなります。
 大人になってこそ、気の合う友人とぶらりと立ち寄れる時間を作れたらいいですね。 

■2007年04月16日(月)  イルカとラッコとアザラシと        編集長 朱
 「日々雑感」へようこそ。
 何かひとつヒットすると、そのことばかりのお返事やメールが届きますので、こちらで整理させていただいています。匿名の方以外は、すべてお返事を差し上げていますが、「嫁姑問題」は語り尽くせない、心の痛みです。
 子持ちのデザイナーさんから、「何か癒されるようなお話はありませんか」と新しいテーマをいただきました。

○ (子持ちのデザイナーです)
 水族館に行きました。最近トレンドの”ふれあいランド”です、イルカとふれあいました!イルカの口の中、犬のようで舌もあって、鼻付き合って挨拶したらじーっとこちらを見て、笑ったギィギィと。むちゃ癒されました! 解説で大昔、尻尾の長い四足動物だったそうで、魚でない事を改めて実感! 閉園すぎてもイルカプールにへばり付いてたのは我が家族のみでした・・最近癒されたようなお話無いでしょうかね?

・ 私は鳥羽水族館でラッコに癒されました。
 ラッコの手はグローブのように分厚くて、平たくて、とても不器用そうです。そのゴワゴワしい手で、二枚貝と石を拾っておなかの上で叩き割るのですが、その仕草の可愛いこと。気ぜわしく叩きながら、顔はのほほんとした顔で横を向いて、こちらを見ているのです。貝を食べた後は、あのゴワゴワしい両手でズリズリと顔を洗うのですが。口とアゴを洗うときは、うっとりとしています。
 ほんとうに縫いぐるみのような可愛らしさでした。
 当然、ラッコの縫いぐるみをおみやげに買いました。その子を見るたびに、あの不器用そうな厚い手を思い出します。
 それから、大分マリーンパレス水族館「うみたまご」でアザラシに悩殺されました。
 ヒゲの束で水族館のガラスをこすりながら、じっとこちらを見ています。べったりガラスに張り付いて、じっとこちらを観察しているのです。特に大人より子どもに反応していました。彼らは彼らで人間世界を眺めながら、水槽生活の退屈さを癒しているのでしょうね。大分マリーンパレス水族館「うみたまご」は大きくて広くて、絶対、オススメです。
 どこかオススメの動物園や水族館はありませんか。 

■2007年04月15日(日)  3者3様の人生              編集長 朱
 昨日のおたよりに参加者が増えました。

1 「私にも実家があります。でもお義母さんには、私にも両親がいて可愛がられて育てられたということが理解できないようです。どうでもいい人のように扱うのです。だから別居していますが、普通の日にぜ〜ったい帰りません。盆と正月くらいしか孫の顔を見せに行きません。誕生日やお節句には電話をくれますが夫だけ行かせて、私は実家に帰ってお祝いしてもらっています。悪いと思いますが、行けばまた私が嫌な思いを我慢して、家に帰ってもずっと嫌な思いをさせられるからです。後略(無記名)」

2 「お嫁さんが実家にばかり行くとお嘆きの奥様、子どもは成長したら親の手を離れるものです。私は趣味の写真をしています。公民館の写真教室に行くと若い人がいて、それは親切に何でも教えてくれます。だからいつも一番に行って、お茶の用意をしてみなさんをお迎えしています。みんなで撮影で出かけても仲間だから年配者を嫌がりません。若いお嬢さんにモデルを頼んだり毎日が充実していますよ。幸せはご自分で探さないと、息子や孫が運んでくれませんよ。(素人カメラマン)」

3 「今とても可愛い5歳の娘がいます。前妻との間にも今年25歳になる息子がいます。息子は二つ店を経営し上手くいっててこの春会社にするそうです。開店当事は私も出来る限りの応援と援助をしたものです。前妻は超しっかり者で再婚し資本金も出すようです。私は”頑張れよ! 父さん今の家庭で手一杯でチカラになれなくてゴメン”と息子にメールしてしまいました、後でなんでゴメンって書いたんやろ!25歳の大人に、私は23歳の時に父を亡くしています、親子の絆を女々しくしてしまいました。”頑張れ!”だけで善かったものを。(再婚者です)」

・ 1お嫁さん、2年配者、3熟年層、3者3様の人生模様です。
 嫁と姑の戦争は息子を争うだけでなく、ちょうど姑さんの更年期にあたるころなので、精神的に少し不安定な状態で若い同性を家庭に迎えるから、トラブルが発生するのでしょう。
 どちらも嫌な思いを我慢しているのかと思うと、解決がつかないだけに辛い問題です。やはり「触らぬ神にたたりなし」で、嫁姑は微妙な間隔を保った方が賢明でしょうね。
 2の年配者の方の、したたかな生き方に拍手です。家庭で嫁姑が火花を散らしている間に、趣味の教室では「老い」を利用して、若者に上手に甘えているのです。何ですと? モデルまでお願いしているのですか、ご立派。ここまでくると人生の生き方の達人ですね。
 3の「再婚者」さん。25才と5才の腹違いのお子さんをお持ちとは、華々しい人生ではありませんか。前妻さんも再婚してしっかりされているなら安心ですし、5才のかわいい盛りのお嬢さんと新しい家庭を持っているのなら、成人した息子さんのことで心を煩わせる必要はまるでありません。きっと彼の方も何も思っていませんよ。ご自身が同じ年のころは、前進することで精一杯で、親や周囲を気遣うゆとりはなかったと思います。
 だから、がんばっている家庭を気遣うより、今の家庭を大事に思うほうが先ですよ。 

■2007年04月14日(土)  実家と婚家                 編集長 朱
 昨日の「聖母と子どもたち」におたよりがありました。

○ 「母を思い出して、じんときました。この人のように若くないけど、自分が菓子をもらった子どもとオーバーラップしてお袋に会いたくなりました。若いころから心配かけっぱなしです。うちの子も人さまの子に菓子やるような子になって欲しい。(元峠族)」

○ 「母のテレビが壊れて新しいテレビを持って行きました。電気屋さんが、これは地デジ2011年の対応出来ませんよって、でも予算の関係で決めました。母があと4年もたないだろー、とは思いませんでしたが。複雑でした。(花のシニア)」

○ 「雑感読んでカッパえびせん食べたくなってきました。百円の大きい袋買って、たくさんあるけど、やる相手がないので1人で食べてます。カッパえびせんを一緒に食べれる彼女ができたら、この人のようなお母さんになってほしいです。(無記名)」

○ 「小さい頃は30円はお金でしたね。今の感覚で言うと300円くらいですかね。小学生なら親に買ってもらった菓子を食べるか、親と一緒に買物に行ってムリッと買い物籠に入れたくらいで、あまり現金は持ちませんでした。だからお年玉が楽しみでした。それでももらいすぎるとムリッと親貯金させられて、今ではあの金はどこにいったのか。このママさんやさしいけど、子どもが小さいからで、大きくなったら親の言うこと聞かないから、やさしくばかりできませんて。(無記名)」

○ 「母心で大切に育てても、息子は結婚して独立すると自分で育ったような顔をしております。嫁は孫を連れて実家に帰っても婚家には近寄りませんし、年寄りが2人で子どものいない家に住んでいますが静かなものです。御子様連れで婚家にも帰ってあげて下さいね。(無記名)」

・ 年寄りが2人静かに暮らしているところにお孫さんが帰って来ると、生活がひっくり返りますよ。下のものは全部上に上げて、子どもが口にしそうなものはまとめて隠して、居ずまいが子ども仕立てに変わりますが、子ども視点で見回しますので部屋がきれいになります。
 お孫さんはかわいいですものですが、子育て真っ最中の若いママさんは、昼間は全部1人で世話をしなくてはなりません。少し外出するのでも、重い荷物を持って、お子さんを抱いて、バギーを持って駅の階段を上がり降りしています。
 そうまでして自分の実家に帰りたいのも、そうまでして夫の実家には帰りたくないのも、人の情だと思います。帰りやすい、帰りたい、優しい婚家でしょうか。
 わが子を育てた頃の、何でも許せる慈しみの心を持って子や孫に接触していれば、子どもはいつまでも懐(なつ)いてくれます。
 いつ立ち寄っても居心地の良い、安らげる婚家でいてください。

■2007年04月13日(金)  聖母と子どもたち               編集長 朱
 日々雑感にさまざまな年齢層からおたよりをいただいています。
 常連の方も、初めての方も、深夜の交流をお楽しみください。

○ 「家族が寝静まって、酒を飲みながら”雑感”覗くのが楽しみになってます。又投稿しますので、色んなテーマを取り上げて下さい」

・ ありがとうございます。今夜は、雑感を見てくださるすべての方に、心あたたまる、とってもほほえましい、すてきなお話をご紹介します。

○ 「1才4ヶ月のママです。
 昨日公園に行って息子と遊んでいたら、途中から小学生くらいの男の子がゲームしながら入ってきました。そしたらうちの子がそのおにいちゃんが気に入ったみたいですりすり行ったら、その子が躊躇なく頭を撫でてくれたの。
 お兄ちゃんだなぁって見てたら、その子のお友達が横に来てうちの子にも当たり障りなくいてたのね。で、最初の子がお菓子(かっぱえびせんのちっちゃい袋)あけて友達と食べ始めたら、やっぱりうちの子が目を光らせておひざにすりすりしたんよ^^;
 あぁあぁと思って、引き離そうと思ったらその子が「はい」って一本くれたのね! お子様ってお菓子とっても大事なのに、宝物あげれるってすごい!!って思って「ごめんねぇ、とっちゃって;;」って言うと「いいねん、どうせ30円やし」って言うわけ。
 お子様の大切な30円で大切な一本を申し訳ないなと思ったら、その後も何本かくれてるから「こりゃあかん」と思って「ちょっとこの子みててくれる?」ってその子に言ってダッシュで、近所の駄菓子屋さんでおっきいポテチとかっぱえびせん買ってダッシュで帰って、その子に「ありがとう!」ってそれをあげたんよ。
 そしたら友達が「ほら、いい事したらいい事あるねんて!」って言うわけ!なんだかうれしくなっちゃってうちの子と帰ろうとしたら、「でもこんなに食べれへんし。。」って言ってるなと思ったら友達が「返してきたろうか?」とか言うわけw
 だから「大人の好意は素直に受けてねw」って言ってそのまま帰ってきたのね。
 やっぱり世の中「いい事したらいい事」ないとね!その子もお菓子がいっぱいになって返ってきて嬉しかったかも知れないけど、私も嬉しかったからお返ししないとねw」 

・ ほのぼのとしたポエムのようなお話ではありませんか。
 小学生が30円のお菓子を幼児におすそ分けする行為も、それを大切な一本と感じてありがたいと思う母心も、いい事したらいい事ある、としたり顔をする幼い友だちも、みんな輝くほど美しい。みんなこんな幼い時期があり、無条件にやさしいお母さんがいて、慈しまれて育てられたのですよ。
 女性は母になったとたんに人間を超えて、聖母になるのです。
 

■2007年04月12日(木)  ホームレスの身の上話あれこれ    編集長 朱
 奈良は古(いにしえ)の大都会だけど、今は悲しいほどの地方都市。
 奈良公園は浮浪者ならぬ浮浪鹿がうろうろ、うろうろ。奈良にはいないホームレスの話題で花が咲きました。
  
○「ホームレスのお話確かにそうだと思います、マンション地域ですが資源ごみ回収の前日は必ず空き缶回収しています、縄張りがあるのか判りませんが、数人時間差で来ます、マナーは良く汚しません、かえって近くの公園の方が若者の食べかすや、空き缶ポイ捨てで汚れてて、町内会で夜中に清掃しています、ホームレスと区別出来ません。いっそホームレスに有料(住民カンパ)で正しいごみ分別と回収、地域の深夜清掃でも委託したら?福祉・行政は的外れだし!」

○「ホームレス、彼らの語る身の上話は嘘っぱち、に近い経験者です。車を駐車場からバックで出ようと動きだしてたらゴン! 見たら自転車に鉄くずや電化品くず山盛りにしたおじさんで、ブレーキ利かなくてゴン!『あほ!うしろ見んかい!俺は大型トラックの運転してたんや、おまえ後方無視や!』『ごめんな今五千円しかないから』って渡したら、『おおええわ、きぃつけよ!』おじさんの後姿かなしー」

・ うーん、それはたかり方を教えたのと同じですよ。
 私の聞いたホームレスの身の上話、あれこれ。
○ 元はネェサンも知ってる大手の会社の役員でな、家に帰ったら豪邸で、別荘もあるよ。かわいがってた部下の不祥事をしょって出てきた。(大手にしては口調が崩れている)
○ こう見えても一流レストランのコックやってん。もててな、オーナーのオンナとできてクビや。いつでも板場、仕切れるで。(コック経験者が残飯あさりするの?)
○ あんた記者かい? 俺も昔は記者でね、いろんなとこ取材に行ったな。外国も行った。悪いことした社長おっかけたり、中東の紛争地にも行かされたなぁ。(所属は何部よ)
○ 町金、踏み倒してオンナと逃げてきたけど、ヤクザのオンナやったから命がけよ。オンナはいい男と逃げてオレだけやくざに追われてる。(…追われる男の緊張感がない)

・ ここまで流れ着いたには、流れ着いただけの理由が必要ですが、単純な履歴では淋しいのか、飾る飾る、粉飾てんこもりの過去ばかり。せめて経歴だけでも華々しくないと、知ってる限りの羽根を付けて飾って見せるけど、語りながら自己陶酔しています。
 マッチ売りの少女みたいに、つかの間の夢を見ているのだと思うと、甘い脇を突くのは無粋です。でも反対に、浮世と縁を切って、うっとりと自分の作った物語の中で生きていくのも、いいかな、なんて思いました。
 おっと、あぶない、あぶない。

■2007年04月11日(水)  和歌山取材 3 別府市の場合     編集長 朱
 8日「現代ホームレス考」子持ちのデザイナーさん、私なりの答えです。 

・ 取材当初、和歌山駅周辺にはホームレスは見かけなかったものの、最近は増えているそうです。また別府市でも見かけるようになりました。なぜ地方都市にホームレスが増えているのか、1昨年調べたことがあります。
 別府市で開催される全国タウン誌会議の最終日に宿を引き払い、最終列車が出た後の別府駅に行くと、ポツリポツリとホームレスたちが集まってきました。最後の夜行列車が通過すれば駅は閉鎖されるので、また自分の寝ぐらに帰らなければならないのに、なぜか、集まってきました。何をするというわけでもなく、あっちに座り、こっちで寝転び、そっちで膝を抱えと、まるで広場に集まったネコの集会のようです。
 待合室のイスに座って様子を見ていると、あまり一般人と接触をしたがらない彼らも、冷たい床よりイスに座りたかったのか、私の周辺をグルリと空席にして座り始めました。チラチラと目の合う、まだすっかりホームレスになりきってはなさそうな1人に笑顔を向けると、遠慮がちな会釈を返してくれたので、早速、取っかかり作戦です。
 隠し持った秘密兵器の発泡酒を「いかが?」と差し出せば、無言で受け取ってくれたので、「最終に乗り遅れてね、始発待ち」と話しかけて、時間をかけてゆっくりと、なぜここにいるのか、どこから来たのか、いつ来たのか……。
○ 来たのは最近。東京や大坂など、都会でホームレスを排斥するようになって、地方に流れてきた。
○ やはり地方は実入りが悪い。空き缶回収や雑誌を拾って売るにせよ、人口が少なければゴミも少なくて、浮浪者の生活は苦しい。
○ 月に数回は市の施設で給食が配給される。日持ちするものは取っておいて、支給された古着は着ずに売って酒を買う。
○ (貯金は?)臨時の収入を貯金して自立の足しに、など考えたことなし。
○ 無理に定住してもわずかな収入では支払いが続かない。浮浪者なら部屋代や電気、水道代など支払う必要がない。公園なら水も電気も無料だから。

・ まだ色々と聞き込みましたが、感じたのは彼らなりに安定した世界を持っていることでした。こうして一ヶ所に集まるのも、ホームレス世界の情報収集と都会に帰れるチャンスを逃さないためのようです。
 最近のホームレスを対象にした事件は、人心の荒(すさ)みを感じますが、異質な世界観を持つグループへの恐れからだとも思えます。
 また行政も見た目が悪いからと闇雲に排斥しても、地方に浮浪者を散らすだけで、解決にはなっていません。都会は浮浪者を養える環境にあり、福祉は自立の手助けより生活支援にとどまっていることも分りました。
 それに、ホームレスはとんでもなくロマンチストで、彼らの語る身の上話は、もののみごとにウソっぱち。夢と憧れの固まりのような過去でした。
 それだけに気の毒でもありますが…。

■2007年04月10日(火)  和歌山取材 2 「知る」と「識る」    編集長 朱
 修行僧の密着取材ですので、宿は野宿というわけにもいかずに、お坊さんが水行の支度をする大きな岩の祠(ほこら)で寝起きしました。
 巌(いわお)を畳3畳ほど掘り抜いて、地面には板を敷いて床を作り、入り口は取ってつけたような趣のないサッシの引き戸で、壁は岩肌がむき出しの冷え冷えとしたねぐらでしたが、こちらは野宿慣れしているので、天井があって床があるだけでも上等のお宿です。毛布があってゆっくり寝れるのですから、有りがたくて。
 2月の寒行は深夜0時の水行から始まりました。
 滝に入る前に、不動明王に行場を使う報告と、お供えの般若湯をいただいて心身ともに寒さに備えます。お坊さんはお年のために、滝の飛沫を浴びる程度の、滝から離れた場所に立たれましたが、私は体験が目的ですので、ズルをせずにしっかり滝に入りました。
 小雪まじりの痛いほど冷たい氷水を、頭と肩に浴びるのですが、ものの勢いと、記者の覇気と、うろ覚えの般若心経を滝に負けじと大声で唱えるエネルギーで、表皮の冷たさに肉体が抵抗して、身体の中からカッカと温かくなって全身から湯気が昇っていました。それで、寒行(かんぎょう)も見た目ほど辛くはないものだと悟りました。どちらかというと、飛沫を浴びている方が中途半端で寒いのではと思ったのですが、聞くのを遠慮しました…。
 次に夜明けの海で寒行です。
 波が寄せる岩場に陣取って、岩に砕ける波の飛沫を浴びながら、四方の海に結界の弓を放って、経を読み、浅瀬に入ってまた真言と心経をとなえる寒行です。じっとしていると冷えた身体に海風が障って、濡れた法衣が見る間に凍ってパリパリになりました。海の中のほうが暖かいので、行が終わるとさっそく寒中水泳としゃれこみましたが、外気より水温が高いので、冷え切った身体には暖かく感じます。
 つまり、噂に聞く「修験道の寒行」とは外で見るほど過酷な行ではないと思ったのですが、これは修行が足りないせいでしょうか。
 遅い朝食をいただいて、昼から托鉢でしたが、深夜と早朝にハードな行をこなすと、後は何をしても楽なものです。食や銭を請いながら家々を回って経を唱える行為は、やはり崇高で謙虚な気持ちになりました。
 何かを書くには空想だけでは伺い知れないものがあります。「知る」以上に「識る」ことで少しづつ「怖いもの」が消えていきます。なぜか。自分の限界を知れば、そこまでは大丈夫との自信がつくからです。これを経験といいます。

■2007年04月09日(月)  和歌山取材 1               編集長 朱
 ある坊さんの「托鉢千日行(たくはつせんにちぎょう)」の満行に、半生記を書くことになりました。千日の托鉢とは、つまり三年ほど乞食をしたということですので、和歌山まで取材に行くなら、ついでに和歌山まで歩いて行こうと思い立ちました。和歌山方面の奥地の温泉地の取材も兼ねれば、一石三丁です。(この方法で別府市観光協会から88湯巡り第64代温泉名人の称号をいただいています)。今回は放浪体験だから、懐中電灯と小さなリュック一つで十分です。
 家から王寺、當麻、御所まで歩き、夜になり、第一夜は神社の境内でリュックを枕に仮眠しました。深夜に神社やお堂の下を覗く人はいないので、ここは安全圏です。目が覚めると深夜でも歩きます。それを何日かすると日にちの感覚がなくなり、時間の感覚もなくなってきますし、神経が研ぎ澄まされて、物音が良く聞えるようになります。たぶん身体に備わった防衛本能が目覚めてくるのだと感じました。
 歩くと水分が全身から蒸発しているせいか、ペットボトルに入れた水道水を1日5・6本飲んでいるのに、その日はトイレに一回も行かず。食糧は店じまい前のカゴ盛りをタダ同然で。野菜は生をよく噛んで、胃腸に負担をかけないようにします。
 温泉地は共同浴場や無料の露天風呂があるので、深夜にゆっくり入ると、下着で擦り切れた肌がヒリヒリして湯が沁みますが、疲れているので心地よい痛さです。筋肉がほぐれていくのもはっきりと分って、温泉の効能はありがたいものです。
 一人旅を続けていると独り言が多くなっていることに気が付きました。左右の道をどちらを行くかで、自然に声が出て自問自答しているのです。頭で考えていたつもりが声を出して自分に語りかけていました。あまり他人との会話がないと、耳が人の声を聞きたいようなので、お風呂ではつとめて近くの人に語りかけるようにしました。これがいい情報収集になって、地元の人しか知らない温泉や、川の野湯も教えて頂きました。
 昼の仮眠は図書館などでうつ伏せで済ませて、待合室や休憩所を使い、夜は危険なのでなるべく歩くように心がけます。深夜に森を通過することになっても、懐中電灯は電池の消耗を避けるために、必要なときしか明かりは点けません。すると目も闇に慣れて、星明りの木漏れ日でも十分夜目が効きます。
 ところが道の中央に黒い厚めのシミがあったのです。何かと思って杖代わりの棒でツンツン突いたら、突然、ギャー!っと。そのシミが! こっちの方がびっくりして、ギャーっと飛び退きました。黒いシミが叫んで襲いかかったように思えたのです。しかも闇の中腹には光る目玉が2つ点々と。あっちに点々、こちらにも点々。その点々がフワリと飛んで!ギャー、ギャー、っと。
 ああ、猿かいな。山猿の群れでした。猿が深夜の侵入者に威嚇したのです。黒いシミも黒いアメーバではなくただの水溜りでした。「怖くないよっ」と猿に優しく語りかけて、懐中電灯を大きく振って挨拶すると、目玉も高い位置で動かずにこちらを見ています。森を抜けるまでずっと見守られて、ステキなドラマとネタをいただきました。でも、シミと突然のギャーには、本当にキモが冷えるほど驚きました。
 

■2007年04月08日(日)  現代ホームレス考            編集長 朱
 「子持ちのデザイナー」さんと「無記名」さん2名様を、順にご紹介します。

○ 「編集長変な人ですね!普通恐くて出来ないですよ!今日家族で花見に行きました、公園に前あったホームレステント無くなってました。強制撤去?かわいそまだ寒いし。好きでホームレスやってる訳無いと思うけど、なんで上手く生きれる人と、出来ない人に分かれるんですか?編集長はどう思います?何が原因?」

・ 原因はさまざまで単一のものではないと思います。いくつもの要素が絡んで抜けられなくなったのでしょうが、稀(まれ)に好きでこの道にいる人もいます。今さら元の世界に戻っても、もう馴染めなくなってしまった方も。
 ホームレスはけっこう型にハマった楽な生き方で、当然ですけど非常に生活にお金がかかりませんし、日常はシンプルです。現在のしがらみを一切捨てて違うものに変貌すれば、真冬と真夏を除けば野外でも生活できて、食べるものも格安か無料。だから抜けられないのです。
 地方都市のほうが公共施設は開放的で野宿に適しているにもかかわらず、ホームレスは都会にしかいません。別府や鳥取のような温泉都市でも、温暖な沖縄市や石垣島、寒さ対策万全の山形や仙台にも、その手の人たちはあまり見かけません。彼らは人を避けながら、実は人間の多い都会で住みたがっています。
 あるところでホームレスから「俺らでも、もっとまともなもん食っているよ」と同情されたことがあります。「人間は生きる権利があるからな、施設に食べに行っているさ」と自慢されて、彼らのしたたかな生き方を垣間見たことがあります。
   
○ 「4月7日の 人間の野生に近い本能は、非日常の繰り返しで身に付くようです。」について。
 「このことは経験した人だけが会得できるものだと思います。外国人の友人は、野宿(キャンプと言いますが)に慣れてる様子です。一昨年は、宮島でキャンプをしたらしいのです。できれば奈良公園でキャンプしたいと言っておりました、もちろん不可能だと伝えましたが。やはり外国人から見れば、日本は安全で清潔な国だからでしょうね。編集長と彼は、ある意味同類項のように思います。既成概念にとらわれないとか、冒険心に垣根をつくらないとか・・・うまく表現できませんが」

・ 平穏無事に浸かっていると感性が鈍ってきて、非日常を描き出すことが出来ません。俳人はそのために吟行に出かけます。詩人も画家もスケッチ旅行に、作家は取材です。見る聞くだけでなく体験すれば、奥深く描き出せます。
 では調子に乗って、明日は修験道の取材を書きましょう。

■2007年04月07日(土)  青春18切符を使って 3          編集長 朱  
 東京でひと仕事を終えて、打ち上げに時間を取られて、また始発まで時間を潰すはめになりました。
 疲れたままビジネスホテルに泊まろうものなら、間違いなく寝過ごしてしまいそうで、それならと翌朝まで楽しく遊んでくれる人を探すことにしました。発泡酒をパックで買って、地下鉄の出入り口に陣取っている、プロのホームレスに差し入れをしました。プロの住居はシャッターが閉まった後、階段の壁が風をさえぎってけっこう暖かいのを知っていたからです。
 発泡酒の差し入れは効き目は大で、見知らぬ旅行者にも愛想良く「どこから来た」と聞くので、「奈良から仕事に来て、始発待ちです」と答えると、発泡酒のつまみにどこで拾ってきたのかお惣菜のパックを出してくれました。断るのも何だし、朝まで楽しくすごそうとありがたくゴチになりました。すると、機嫌よく人生を語ってくれます。
 家族があったこと、勤め先の倒産と、どこかで聞いたことのあるようなウソっぽい身の上話でしたが、外の寒さに比べてあまりに居心地のいい場所なので、同じように始発待ちで、物陰に震えている数人に手を振って呼んで、みんなでホームレスさんの独演会を開くことにしました。
 震えながらロング缶をチビチビやっていると、北の郡山に帰るのだというお兄さんが袋菓子を出して、それを皮切りにみなさんが提供してくれた幾種類もの食品が膝元に並び、見知らぬもの同士の自己紹介から始まって、ビールを飲みながら徹夜のミーティングです。
 それが外から見ると異様で怪しく見えたのか、自転車に乗ったおまわりさんが不審尋問にやってきました。全員、始発待ちの徹夜で、私はその取材だと名刺を出すと、「ご苦労様! 寒いので風を引かないように」と労って去って行きました。
 深夜の駅周辺でホームレスを中心に車座になって語らうなど、本来あるべき形でないものに、早速警察が心配して飛んでくるとは、花の東京は治安がいいのか、悪いのか。

・ここで、前回のシニアさんからコメントです。
「その土地柄や運もあるでしょうが、一つ間違えると不幸な事になりかねませんよね。私の住んでる地域は都市部なので毎晩救急車やパトカーが回ってて、ホームレスが暴行受けた事件なども有りました。TV番組で放浪旅のようなのも有りますが現実、社会は荒んでますからね。でも、そのギリギリの状態で見えてくるものは経験しなくては分からないものでしょうね。昔はヒッチハイクでクルマも止まってくれていましたけど、今は勿論しませんが。半端なコメントですみません」

・ いえいえいろいろな方の反応はうれしいです。こういう取材や旅行を長年していると、危険に対する鼻が効くようになって…また臨機応変も身に付くものです。
18切符を使った野宿の初心者か、手慣れた旅行者か、よく見れば分るようになりました。初心者には妙な緊張感あって、それが存在感をかもし出しているのです。手馴れてくれば同じ場所にいても気配は消えます。
 人間の野生に近い本能は、非日常の繰り返しで身に付くようです。

 

■2007年04月06日(金)  青春18切符を使って 2         編集長 朱    
 はじめに、この体験は「自分探しの旅」のような不安定なものではありません。 仕事であり、締め切りのある取材で性根が据っていました。この前提がなければただの無謀な冒険譚になりますので。
・ あれは別府市の「冬の花火大会」でした。
 町中が浮かれたクリスマス・ファンタジアも深夜になると吹雪になって、観光客は早々にホテルに帰り、日帰りのお客さんは駅の待合室で最終便を待っていました。町では酒と若さに浮かれた暴走族だけが元気でブイブイ走り回っていましたが、激しくなった吹雪を避けて駅の待合室に入ってきました。
 メンバー十数人で男女比は約半分くらい。白のロングコートを着たリーダーらしき若者が一升瓶をラッパ飲みして、女の子たちが一斉に笑って「いっきいっき」とはやしています。
 待合室のお客さんは、酔っ払った暴走族など触らぬ神にたたりなしとばかりに、ひとりふたりと吹雪の街中に消えて行きました。私は? 私には行く場所がありません。外に出て暖を取るレストランの経費はないし、それにお客さんが出て行ったおかげで、体温付きの暖かい椅子が空きました。立ちっぱなしの取材でようやく手に入ったご褒美です。
(今日は寒くて凍えたし、暖まるのにひたすら歩いて足も痛い。待合室は終電の後でも特急や夜行が通過する間は開いているから。だから、出ないとこ。吹雪いてるからぜったい外に出ない。待ち時間が惜しいから原稿をまとめておこう)
 まだ暖かい椅子にノートを広げて、両手にハーハーと息を吐きながら、手を擦り合せて、今日の感想を綴っていました。暴走族の子どもたちは盛り上がってワーワーキャーキャー。チラリと様子を見ると、敵さんもこちらが気になると見えて、チラチラ見て見ない振りをしています。接触しない気ならお互い不可侵で。ノートにうつむいてセカセカ書いて、時にウーっと唸って。チラリと様子を見て、またセカセカ書いて。
 その時の私のいでたちは、冬の野宿を覚悟していましたので、大きなスキー帽で大きなマフラーのマチコ巻き、顔が半分も隠れるお手製のマスク。つまり外気に触れるところは目だけでした。その異様な姿のおばさんが、チラリチラリと盗み見しながら何か書いているのです。
 まず女の子が、いっきいっきの熱が冷めました。「ねぇ行こ。行こ」と言えば男の子たちも「行こかぁ」とついて吹雪の中を出て行きました。
 内心、(悪いわねぇ。地元民のなわ張りなのにね) と思っていたところ、暴走族の制服を着ていない、駆け出しのような若者が2人、ゴミ袋を持って帰ってきて、先輩たちの散らかした空き瓶や菓子袋を片づけているのです。しかもこちらをチラチラ意識しながら。
 挙句に終わったらペコリと挨拶までして、吹雪の夜に消えて行きました。
 もう、おかしくて、ほほえましくて、愛らしくて。一晩中暖かい気持ちになりました。
 異様なおばさんが怖かったのです。
 顔を隠して身体を丸め、風紀委員のように所業を書き連ねている、謎めいたおばさんに、恐れをなしたのです。暴走族は子どもです。威圧が通じない相手には引き下がるしかないのでしょうね。
 その夜は、24時間温泉で暖かく時間を過ごして、始発で夕方に大坂まで帰って来ました。交通費18切符往復2枚4600円と、食費300円、スーパー銭湯が一泊350円でした。
 いいネタも拾えてご機嫌な取材でした。

■2007年04月05日(木)  青春18切符を使って           編集長 朱  
1日の「チャレンジ精神に脱帽」に質問が寄せられました。

 「青春18切符を使ってJR放浪しますが、泊まるときはビジネスホテルを使います。都会で野宿して300円ですむなら、ホームレスのコツを教えてください。危なくないですか。体験ってどんなことをしたんですか」

・これは若者ですね。若者なら自分で経験して身につけるものです。教えてもらった過酷な体験など絵に描いた餅で、自分の口に合いません。それにホテルに泊まるような安直なJR放浪など、放浪とは言えません、ただの旅行です。
 旅とは自分で企画して創造するものです。
 (青春18切符の説明。年齢制限はなく1枚11,500円で5回か5日分。1日分が2,300円でJR普通列車が全線乗り降り自由。詳しくはネットにて)

 ではお尋ねの、うぶすなの放浪取材を。
 大分県別府市で温泉取材が入り、現地入りは夕方。まず大坂発0・00時すぎの最終の快速で終点姫路に午前2時に降ります。姫路の待合室は屋根付きで24時間開放。しかも冬場は改札口の一部に温熱が入っています。そこで始発の5時まで仮眠します。後は始発の普通電車と快速を乗り継ぎながら目的地まで。この時間を使えば切符1枚で大坂から熊本の阿蘇まで進めます。
 北は相当上まで進めましたが、山形に至る前に乗り継ぎで失敗して、閑散とした田舎駅でカップ酒を飲みながら夜を明かしました。見知らぬ切符仲間が寄り添って、車座になり夜を徹して情報交換をしました。朝まであっという間です。
 食事はスーパーで買った閉店特売の半額パンやおにぎり。お茶は公共施設の開放された機械で水筒に入れて、スーパーで買ったカップメン(コンビニより安い)に熱湯をもらえば、食費は1日300円で十分ですし、宿代もかかりません。
 このように駅を利用するのも構いませんが、終電から始発まで駅を閉めるところが増えましたので、にわかホームレスとしては始発まで安全に時間を潰すことが命題になります。
 その時には24時間喫茶かマンガ喫茶、カラオケルームが最適です。
 タダで確実なのは始発までの時間を、駅から駅まで徒歩で距離を縮めることです。
 私はこれで、奥地や僻地の秘湯データを一週間ほど足で網羅しました。だから一時休憩に安全そうな隙間を見つけると、こっそり滑り込んで、気配を消して、物陰や闇溜まりに身を馴染ませて周囲に同化させながら、わずかな仮眠を取って次の取材地まで歩きました。
 体験しないと分らないこともあります。ネタも聞いた話では読者は納得しません。
 真冬の取材でこんなことがありました。
 長文になりますので、続きは明日。

■2007年04月04日(水)  人生万事塞翁が馬!          編集長 朱 
 雑感にさまざまな書き込みが入ります。3日「満開の菊の花芯に向って」へ、2日の「元峠族のおにーさまのように」の方へお返事です。原文のまま。

「 漫画家の人が好きな道で飯が食えててよかったです、と言えるやさしさや、それほど好きなことじゃなくても、まあそれなりに仕事を楽しんで居られると思えること、峠族をなつかしく思い出して書き込めることこそが、貴方の思いやりの有る人格なのですね! ※今その漫画家は、業界競争激しくて東京で苦労してますよ”ハチロク乗ってた頃がなつかしいです”って言ってました。人生万事塞翁が馬! お互い頑張りましょう! 編集長の言う『生きる糧』ですね。」

・ この掲示板には若い読者の方もたくさん参加してくださいますが、若い方たちだけの交流ではうかがい知れない、人生の先輩たちの深い人生観も寄せられます。
 2日の方が「峠族」を「暴走族」ではないと、わざわざカッコ付きで紹介した気遣いに、私は心を惹かれました。3日の「元峠族」の方が「使えたら使ってください」と控えめなコメント付きで参加されたのも、2日の方の気遣いに誘われたのだと思います。
 繊細さは、若者だけの専売特許ではありません。
 誰でも青春時代があって、それを乗り越えてオトナになっても、やはり人生の原点は青春の迷いと痛みにあると思います。ゆっくりと回帰しながら、かつての自分と酒を酌み交わしたいものです。そして和解できるものなら和解して、癒せるものなら癒してやりたい。だから、甘ったれて泣きついてくる青少年に、ここのオトナはみんなとてつもなく優しいのです。かつての「生きベタ」な自分を導くように、ね。

・ また反対に非常に前向きなご意見も寄せられています。許可をいただいて掲載します。

「人は動いてると、いろいろな接点がありますね。それを単なる接点としてとらえるか、若しくは、新しい人間関係の入り口ととらえるかによって、行き先が違ってきます。分岐点に立った時、どちらに進んだらいいのか、立ち止まって、「はて?」と判断する能力。ボーっとしてる私ですが、そういう勘は失わず、目標→「生き生きルンルン人生」にしたいと思います。」

・ 迷ったり悩んだりされている方に、この方の前向きなコメントをお贈りします。
 人生、乗るか反るかです。つまり○か×か。イエスかノーか。するかしないか。
 この分岐点での選択の集大成が、現在の人生であり、生きた道です。しかし、1度や2度くらい望まない選択を迫られても、めげることなく前進していれば、必ず、その選択を元に戻せる分岐点がやってきます。不思議と人生には修復能力があるものです。
 多くの繰り返しの結果がただいまの立地点ですので、何度挑戦して失敗しても、また挑戦すればいいことです。そうするといつか失敗が怖くなりますよ。うまくいかない理由が解(ほど)けるように分るときが来ます。またお便りください。
 メールアドレスを明かさなくても、雑感に届きます。

■2007年04月03日(火)  満開の菊の花芯に向って        編集長 朱
 2日の「元峠族のおにーさまのように」にお返事です。少し校正して掲載。
 
 「峠族。なつかしいです。昔に休みのたびに仲間といっしょに、大坂の方や自分らの穴場に転がしてました。やってたことは嫁にも子どもにも内緒です。漫画家の人が好きな道で飯が食えてよかったです。自分はまあそれなりに仕事楽しんでますが、それほど好きなことじゃないです。何がやりたかったのか覚えてません。雑感ずっと読んでて、昔を思い出したので書き込みに参加しました。使えたら使ってください」

・何がやりたかったのか覚えてません。
 なんだかとても、ずっしりと重みのあるお言葉です。
 私も昔、近くの一級河川の広い堤防で無謀運転をしたことがあります。すでに車の免許証を持つ弟を隣に、運転免許を取る練習をしていたとき、広い堤防を全速力で発進して、急にサイドブレーキを引いて車体がクルクル回るのを楽しんだことがあります。若いということは、悲しいほど無知で無謀ですが、オトナになっては考えつかない遊びを見出す天才でもありました。それが危険であれば危険なほど魅力的に見えました。
 また冬でしたので、深夜に降りしきる雪の中をヘッドライトを付けて走ると、まるで、満開の菊の花芯に向って走るようで、あまりに幻想的な風景に感動したことがあります。
 いまその感性がにぶってしまったのか、唖然とするほどの感激など探してもありません。
 その時、自分は何になりたかったのか。何になりたくて、いえ、何になれなくて雪の降る堤防を菊の花芯に向って走ったのか、覚えていません。
 そんなヤワな感性では傷だらけになると、自衛本能が働いたのか、峠や堤防で車を走らせた青春時代の喜びも悲しみも、一つづつ忘れてオトナになって来たようです。お互いに。
 だれでも絵になるような、鮮やかな青春の一ページを持っているものです。
 雑感をご覧になるあなたも、どんな名場面も色あせるようなすばらしい思い出のシーンをお持ちだと思います。
 思い出せたら決して忘れないで下さいね。
 きっといつか、それが生きる糧になるでしょう。

■2007年04月02日(月)  元「峠族」のおにーさまのように    編集長 朱
 「3月30日 まず好きな世界にハマること。31日 必ず入れます」にお返事です。
 掲載許可済み。 
           
 「漫画の話が出てたので、私の知ってる漫画(劇画)家のお話ですが……。年は20代後頃としておきます。(中略) 彼の人生も波乱万丈、もちろん学歴などなし、子供が出来るまで、いわゆる「峠族 (峠のコースをフルでドリフトして走破するのが快感の人達で、暴走族とは違う)」で、本人いわく「もーやめました。クルマも好きだけど漫画描いてるほうが好き、好きだからやれてて今は良かったと思う」。
 私もそう思います。「好きなことは続けられる」しかし自分が今何が好き?と言い切れない、それがカタルシスでしょうか。」

・ 「自分が今何が好き」と言い切れないのは自己保全です。何が好きと大事なことを口に出すことで、自身が傷つくことを怖れるのです。
 人の心は剥き身のカキと同じで、風が触るだけでも痛みが走るものですが、反対に軽口にまぎらせて「剥き身」を口にすることで、自虐が内奥の表裏のバランスを取ってくれます。
 いま何をしたいのか、何が出来るのか、それを見極めるのは至難の技。大人になってもやりたいことが漠然としていて、自意識という陽の目に曝したときが、自分に追い詰められるときと、本当は本人が一番気がついているのです。それで無意識に触らないようにしているのに、または反対に、故意に触って感情を吐き出してしまう、例えば漫画とか、小説などで。それがカタルシスです。
 人が心の底に押し込めているものを、代理の媒体を使って発露させることができる、そんな才能があるなら、現実逃避のような反抗に逃げないで、その才能と向かい合って欲しい。
 そして「私は、俺は、何者なんだ!」と問い詰めて欲しい。
 「何がしたくて生きているんだ!」と聞いて欲しい。
 人間がまだ文字も持たなかったころから、みずからに問いかける「哲学」は存在していました。突っぱる青少年は、確かに哲学しています。常に、みずからに問うています。
 表現が拙(つたな)くても、内観ができればいずれ語彙(ごい)が増えて、思うままに表現することが出来ます。その手段が漫画でも小説でも音楽でも!
 だから、学校の成績ごときで勝った負けたと、一喜一憂したり自暴自棄になったりせずに、もっと先を見てください。
 前記の、元「峠族」のおにーさまのように、早く自分の最善を見つけてください。
 こんなに貴方や、貴女の手記を読んで応援している人がいるのですから。

■2007年04月01日(日)  チャレンジ精神に脱帽          編集長 朱
 3月27日「遅咲きの反抗期?」に反応がありました。
 引用部分は全文、投稿者の許可を得ています。

1 空巣症候群を口実に、離婚して起業をした。
・ この方も辛抱することをやめて、一歩外に出てみると、「思ったほど世間は辛いものではなかった」と豪語。「元夫から世間は恐ろしいものと思い込まされて、離婚に踏み切れなかったけど」と、自立した女性の完全勝利宣言です。
2 男女の役割分担に差別を持ち込んでいないか。
・ かつて夫がひと言も誉めてくれなかった家庭料理を、主婦の舌と経済でお総菜屋さんを出したら、飛ぶように売れているのだとか。今では、元夫の収入を軽く越えているそうです。「主婦は経済収入がないので、世間からもツレアイからもバカにされて自信をなくしているけど、主婦の家事能力は男の稼ぎと同等なのだと知って欲しい」とのことです。
 拍手喝さい!!
3 我慢することをやめるのも愛情。
・ 嫌なことは嫌と言うべきです。しこりになって取り返しがつかなくなる前に、夫婦喧嘩は大いにすべきです。この方も、夫側の両親と同居で、自分ひとりが他人の家族に入り込んで、馴染むのに苦労されています。その苦労に耐える姿を、夫の家族は無能だからと蔑視したようです。足を踏まれたら顔を上げて、痛い!と叫びましょう。嫁いびりも家庭内ハラスメントで、立派ないじめです。
4 情にほだされるのも言い訳。
・ ここで少し気になるのは、空巣症候群で苦しんだのなら、残された夫家族は相当高齢のはず。「情にほだされてはチャンスを逃す」のは事実ですが、すべてを蹴り飛ばして出て行きたくなるほど煮詰まっていたとしても、そこまで行かないうちに手の打ちようがなかったのかと残念に思います。いえ、貴女の成功は素晴らしくて、心から喜ばしいことです。家庭の主婦に勇気を与えてくれるお話です。
5 いざとなればホームレスも覚悟した。
・ うーん。ホームレスを体験されたら言えないセリフです。だから「たとえば」として覚悟の程のお話とします。私は取材ですが、夏と冬に2度も、各2週間ほどの浮浪者を体験しました。基本は都会で野宿。全行程は徒歩とする。生活費は一日300円以下。過酷でした。
 今でも安全に一夜を過ごせる隙間があると目が行きます。
 この世知辛い世で、独立して店を持って黒字を保つことは大変なことです。どなたにもまねの出来るものではありません。きっと創意工夫の方なのでしょうね。
 いえ、本当に貴女の勇気とチャレンジ精神に脱帽しました。

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